小説 (story)
11460 ノーフォーク州、東ラストン、エルリッジ農場、エイブ・スレイニ宛とされていた。
11461 「ひとつ警部、」とホームズは声を張る。
11462 「電報で護送隊を要請した方がよいかと存じます。
11463 僕の計算が確かなら、警部はこれから極悪犯を州刑務所へ送らねばなりません。
11464 書き付けを持って行くこの少年に、その電報を届けさせましょう。
11465 午後にロンドン行きの汽車があれば、ワトソン、うまく乗れそうだ。
11466 愉快な化学分析を終わらせてしまいたいし、この捜査もまもなく幕切れとなる。」
11467 その少年が出発すると、次にシャーロック・ホームズは召使いたちに指示を与えた。
11468 もしヒルトン・キュービット夫人を訪ねて来る者があっても、決してその容態を知らせてはならないこと、そしてその者を早速応接間へ通すこと—こういったことを熱心に言い含めた。
11469 それが終わると、もう仕事も手を離れたから、いずれまた何かが出てくるまで安楽に過ごそう、と言いながら、我々を応接間の方へ導いた。
11470 老医師は往診に出たので、残ったのは警部と私だけだった。
11471 「では、これから一時間ばかり、楽しく有意義に過ごすお手伝いを致しましょう。」
11472 ホームズはこう言って、机に椅子を引き寄せ、踊る人形のおふざけを記録した紙切れを、最初から最後まですべてその前に広げた。
11473 「ワトソン、友人である君に、ぼくはつぐなわなければならぬ。
11474 持ち前の好奇心を満足させずに待たせてしまった。
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