小説 (story)
11413 小型でしゃれた鰐皮、銀の細工があった。
11414 ホームズは中身をひっくり返したが、イングランド銀行の五十ポンド紙幣二十枚が、伸縮ゴムでしばられていたが—それだけだった。
11415 「保管しておきましょう。
11416 公判で必要でしょうから。」と言いながら、ホームズは詰め直したバッグを警部に手渡した。
11417 「では、次はこの三発目の弾に焦点を当ててみましょう。
11418 これはもっとも、木の裂け具合を見ても、室内から撃たれたものです。
11419 炊事婦のキングさんに話がある。
11420 さて、キングさん。あなたは何かバーンという『大きな』音がしたと言ったが、これは一発目が二発目より大きかったということですか?」
11421 「はあ、その音で目が覚めたのですが、よくはわかりかねます。
11422 とにかく大きかったかと。」
11423 「一度に二発撃ったとは考えられませんか?」
11424 「何とも言いかねます。」
11425 「僕の考えでは間違いないのだが、さてマーティン警部、もうこの部屋でわかることはこれ以上ないかと。
11426 家の周囲をめぐって、庭にあるはずの新たな証拠を見に行きましょう。」
11427 書斎の窓の下から花壇が続いているのだが、我々はそこに近づいてみて、あっと驚かされた。
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