小説 (story)
11336 「ふたりは今どこに?」
11337 「台所じゃないかの。」
11338 「では、早速ふたりの話をうかがわねば。」
11339 樫の板壁と高い窓のある古い広間が、聴取の場所にあてられた。
11340 古風な大型の椅子にホームズは腰掛け、そのやつれた顔に鋭い眼光を光らせる。
11341 私はその目に、ついに救えなかった依頼人に報いるまでは、命をかけても捜査にのぞむという決意の色を読み取った。
11342 そこへ、身だしなみのよいマーティン警部、白髪の老医師、私、ぼんやりした村の巡査が、妙な同席人として加わるのだった。
11343 そのふたりの女はわかりやすく話してくれた。
11344 ふたりは何かバーンという音に目を覚ましたが、一分ほどしてさらにもう一発が聞こえた。
11345 ふたりは隣り合わせの部屋で寝ており、キングのおかみがソーンダズの部屋へかけこんだ。
11346 そしてふたりが一緒に階段を下りると、書斎の扉が開いていて、ローソクが一本、卓上にともっていた。
11347 そしてふたりの雇い主が、うつぶせになって部屋の真ん中に倒れていた。
11348 息はなかった。
11349 窓のそばにその妻がうずくまっており、壁に頭をもたせかけていた。
11350 重傷で顔じゅう血で真っ赤だった。
Go to Dashboard (guest)