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小説 (story)

踊る人形の冒険 (danc)

11109    ところが驚いたことに、妻はそんなものをまじめに取り合って、もしまた描かれたらぜひ見たいと言うのです。
11110    それから一週間は描かれなかったのですが、ちょうど昨日の朝、また私は、庭の日時計の上に、この紙切れが置かれているのを見つけました。
11111    私がそれをエルシィに見せますと、卒倒して倒れてしまったのです。
11112    それ以来、妻はぼうっとしてしまって、いつも何かにおびえた目をするのです。
11113    それから私はホームズさんに手紙を書いて、この紙切れをお送りした次第です。
11114    こんなもの、まさか警察に訴えても笑いものにされて取り合ってくれないでしょうし、あなたでしたらどうすべきか教えてくださると思ったのです。
11115    私は決して裕福ではありませんが、何かが妻をおびえさせているのだとしたら、全財産をかけても妻も守ってやりたいと思うのです。」
11116    善良な男だ—古き良きイギリス人—素朴で実直、そして温和、目は大きく熱意のこもった青色、顔は大きく端正。
11117    ホームズは集中してこの話を聞いていたが、そのあと、しばし黙って思案に沈んでいた。
11118    「ですが、キュービットさん。」
11119    ようやく口を開く。
11120    「最善の策は、直接奥さまにお訊ねになり、秘密を打ち明けてもらうことではないでしょうか。」
11121    ヒルトン・キュービットはその大きな頭を振った。
11122    「約束は約束です、ホームズさん。
11123    もしエルシィが話していいと思うくらいなら、向こうから話してくれます。

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