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小説 (story)

踊る人形の冒険 (danc)

11055    「確かに、いくぶん妙ではあります。」とホームズが言う。
11056    「初見では、子どものいたずら描きのようにも見える。
11057    でたらめな人形が大勢で、書かれた紙の上を並んで踊っているようでもある。
11058    なにゆえ、かくも異形なオブジェを、重くお考えになるのですか?」
11059    「それは私じゃないんです、ホームズさん。
11060    その、私の妻が。
11061    これを見て、妻が卒倒しまして。
11062    あれは何も言いませんが、目がおびえているのです。
11063    ですから、私は、これを最後まで調べたいと思ったのです。」
11064    ホームズは紙切れを取り上げて、日の光に透かしてみせた。
11065    それはメモ帳から破り取ったもので、鉛筆で次のような絵が描かれていた。
11066    ホームズはしばらくのあいだ、それを調べていたが、やがて丁寧に折りたたみ、自分の手帳のあいだに挟んだ。
11067    「これは実に興味深い、まれな事件となりましょう。」
11068    ホームズが言った。
11069    「ヒルトン・キュービットさん、お手紙のうちで、二三、具体的なことを書いておいででしたが、この友人、ワトソン博士のためにもう一度お話いただけると幸いです。」

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