小説 (story)
11029 四、君は四週間前、サーストンから、ある南アフリカの株式について一ヶ月期限のオプションを持っているが、できれば君と共同購入したいと持ちかけられた、と言った。
11030 五、君の小切手帳は、僕の錠の下りた引き出しの中だが、君はその鍵を欲しいと言っていない。
11031 六、かくして君は、投資を思いとどまった。」
11032 「まったく、ひどく簡単な話じゃないか!」と私は叫んだ。
11033 「無論ね!」と、ホームズが少し機嫌を悪くする。
11034 「どんな問題も、いったん君に解き明かせば、みな子どもだましという。
11035 だが、ここにいまだ解かれぬものがある。
11036 これをどう思うね、ワトソンくん?」
11037 ホームズは一枚の紙を机の上に放り出して、また化学の分析の方に向き直った。
11038 私はそれを見て驚いた。
11039 紙の上には、でたらめな象形文字のようなものが書かれていたのだ。
11040 「おい、ホームズ、子どもの落書きかね!」と私は大声で言った。
11041 「ほう、そう考えるかね。」
11042 「では何だと言うんだ?」
11043 「まさにそれを、ノーフォーク州リドリング・ソープ荘園のヒルトン・キュービット氏が、しきりに知りたがっている。
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