小説 (story)
10551 「ああ、そうさ。
10552 彼女の言った事の中でロイロット博士の葉巻の匂いがしたと、姉が言ったのを覚えているだろう。
10553 さて、もちろんこのことは、二つの部屋が繋がっていたことを意味する。
10554 それはよほど小さいものでなければ、検視官の調査で明らかになっていたはずだ。
10555 そこで私は、通気口があると推理したのだ」
10556 「でも、それがどうしたって言うんだい?」
10557 「うん、少なくとも奇妙な日付の一致がある。
10558 通気口が作られ、呼び鈴の綱が吊られ、そしてベッドに眠っていた婦人が死んだ。
10559 おかしいとは思わないのか?」
10560 「どういう話か、まだ見えないのだが」
10561 「ベッドに関して、何かとても妙なことに気がつかなかったか?」
10562 「いいや」
10563 「あれは床に固定されていた。
10564 あんな風に固定されたベッドを、今まで見たことあるかい?」
10565 「たぶん、ないだろうな」
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