小説 (story)
10167 「ああ、なるほど、ごもっとも。
10168 どうぞお続けください」
10169 「その夜は眠れませんでした。
10170 何とはなしに、迫り来る不幸の予感があったのです。
10171 姉と私は、お話したように双子です。
10172 二つのこれほど似通った魂を結び付ける絆が、どれほど神秘的で敏感なものかはお分かりでしょう。
10173 あの夜は、ひどい天気でした。
10174 風が外で吠え立て、叩きつけるような雨が、窓に跳ね返っていました。
10175 突然、うなる大風の中で、おののいた女性の激しい叫び声が響きました。
10176 それは姉の声でした。
10177 私はベッドから跳ね起き、ショールを身にまとって、廊下へ飛び出しました。
10178 自分の部屋の扉を開けたとき、姉が話していたような、低い口笛を聞いたような気がしました。
10179 そして数秒後に、金属の塊が落ちたような、カチャリと音がしました。
10180 廊下を走っていくと、姉の扉の鍵は開いており、扉が蝶番のところでゆっくり回っていました。
10181 そこから何が出てくるか分からず、恐怖に打たれて私はそれを見つめていました。
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